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めまい

「めまい」からの解放!/一歩進んだメカニズムと施術

急に起こる「めまい」。めまいが引き起こされる神経系を中心とした仕組みや原因を解説すると共に実際の施術のケースを紹介します。


✅脳梗塞・脳出血が疑われる場合はすぐに病院へ

 不意に起こる急な「めまい(眩暈)」。めまいの原因はいくつかありますが、脳梗塞脳出血が原因で生じることもあるので、「ろれつが回らない」「しびれる」「力が入らない」「ふらつく」「頭が痛い」などの症状がある場合は、早急に医師の診察・処置を受ける必要があります。

 常連のお客様の急なめまいに対応するために、朝イチから施術を行うこともありますが、そういう時には神経学的な検査を普段以上に詳しく行い、安全性を確認した上で無理のない範囲で施術を行います。

✅めまいの原因
 メニエール病突発性難聴前庭神経炎などは、めまいを引き起こし、それぞれの疾患に応じて耳鳴り、難聴、耳の違和感(閉塞感)、ふらつき、吐き気などの症状も出現します。突発性難聴に関しては、早期に医師による治療を受けないと聴力が戻らないので注意が必要です。

 「良性発作性頭位めまい症」は朝起きる時や寝返る時に起こりやすく、頭の動きや頭の位置を感じるために必要な耳の奥にある耳石がはがれてしまう事が原因となります。そして、一般的にも回転性めまいの原因として多いのは良性発作性頭位めまいと言われています。

 また、前庭神経炎も回転性めまいの原因になりやすく、吐き気、ふらつき感を伴います。めまいとは平衡感覚(バランス感覚)に異常が生じている状態を指し、耳の奥の内耳に存在する前庭器官(三半規管と耳石)がバランスをコントロールしています。つまり、三半規管や耳石で構成される前庭器官の不調や異常がめまいの原因として大きいということになります。

✅神経系の不調やストレスによるめまい
 施術の対象となりやすいめまいは、脳や自律神経を中心とした神経系の問題を原因とするめまいです。これまでの経験上、めまいの原因は一般的に考えられている以上に多く、複雑であると考えられます。

 長年、めまいの方の施術を行っていますが、ストレスの影響は特に大きいと感じています。肉体的な疲労やストレスは休息によって回復しやすいのですが、現代は精神的なストレスにさらされる機会が非常に多く、精神的ストレスの蓄積によって、脳は疲労して弱ります。

 また、脳の領域によっては逆に過剰に働き過ぎてしまう事も多く、結果的に脳の全体的な機能は低下し、脳がコントロールする自律神経の機能も低下し、自律神経のリズムやバランスは乱れやすくなります。

 精神的ストレスが蓄積すると、自律神経では車のアクセルに相当する交感神経が過剰に働くようになります。この交感神経の過剰な活動、いわゆる「交感神経の暴走状態」で血管は収縮し、心臓や血管に負担がかかり、消化器官への血液供給量が不足しやすくなります。また、ストレスホルモンが分泌され、不安や緊張感を引き起こし、眠りが浅くなり、免疫機能も低下しやすくなります。

 このように、脳と自律神経の機能低下から引き起こされる交感神経の過剰活動は、身体にさまざまな影響を及ぼすのですが、当然のことながら脳に対する影響も大きく、血管の収縮と共に頭部・顔面や首の筋肉の緊張が高くなると、脳への血流不足が生じ、脳は酸素不足栄養不足に陥ります。

 その結果、身体のバランスに関係する前庭神経の不調が生じやすいと考えられ、めまいの発症につながると考えられます。また、平衡(バランス)感覚に関与する脳の領域はいくつか存在するのですが、前庭神経と同様に酸素不足に陥ると、めまいの症状が出現する可能性が高まります。

✅めまいに対する施術
 脳リハビリ高知スプラウトのめまいに対する施術は、ある意味でシンプルです。実際の施術は筋肉、皮膚、関節、神経に対してアプローチするのですが、その施術による刺激は脳をプログラミングすることになります。脳の中の「誤作動」「エラー」のようなものを詳しく検査しながら修正していくといった感じです。

 この「脳のプログラミング」を意識した施術は、時に驚くような変化や改善が見られ、脳と自律神経の機能が安定してくると、多くのケースでめまいは改善へと向かい、人によっては1回の施術でめまいが解消されます。

 また、脳と自律神経を中心とした神経系が安定すると身体全体の機能が改善するので、めまい以外の身体の不調も改善することが少なくありません。「フワッと軽くなる」といった感じです。


~実際の施術のケース~
 最後に簡単ですが、めまいを訴えられていたお客様(50代女性)の施術を紹介します。

【主な訴え/症状】
 ☑急なめまい
 ☑疲れとストレスが溜まっている

【検査】
 *眼球運動低下(スムーズに眼が動かない)
 *バランス能力低下
 *四肢の筋出力低下(手足の力が入りにくい)
 *自律神経のバランスは乱れと共に交感神経が過剰に活動している状態。
 *右脳が働きすぎの状態。
 *胃腸や腎臓の不調が考えられる。
 *呼吸機能低下(呼吸時の胸郭運動低下)

【主な施術の流れ】
 とにかく、右の脳の過剰な活動を抑制するように、脳がリラックするように施術を行っていきました。頭蓋に対するソフトなアプロ―チや呼吸状態の調整の後に、筋肉、皮膚、神経の調整を行うのですが、めまいが悪化しないように、こまめに検査を挟みながら施術を行います。

 脳や内臓機能の調整のために経穴(ツボ)にも刺激を加え、施術後の眼の動きやバランス感覚はだいたい改善。手足の力も戻り、めまいも軽減します。その後は楽になったと連絡がありました。