神経科学、東洋医学、ポリヴェーガル理論に基づくメソッドで、健康な生活をサポート。

脳リハビリの事例

足の強いむくみ(50代男性)

足のむくみにお悩みのお客様のケースです。
手のこわばりと、めまいの訴えもありました。

【主な訴えや症状】
*足がむくむ(特に夕方から)
*両手がこわばる。
*振り向いた時にめまいが出る。

【検査・分析】
*歩く時に身体が右に傾いており、左足裏に体重がのっていない。
*体の前屈・後屈で痛みや張りが出現。
*首を左に傾ける動作と右に振り向く動作に支障あり。

*寄り眼を誘導すると、右の眼球運動が弱い。
*頭を揺らすと気持ち悪い。

*自律神経の乱れ(交感神経の異常な緊張)が強い。
*光が少しまぶしく感じる。
*両方のふくらはぎから足にかけての浮腫(むくみ)が非常に強く(特に左)、やや赤みも認められる。

*右広背筋の筋力低下。
*右握力の低下が強く、左握力も低下している。
*呼吸機能低下。(左上部・右下部の胸周りの動きの低下)
*股関節周りの筋力低下が著しい。(腸腰筋、大殿筋、大腿筋膜張筋、縫工筋)
*足関節の筋力低下も強い。(前脛骨筋、腓骨筋群、下腿三頭筋)
*左咬筋(咬む筋肉)の圧痛と過緊張 ⇒ストレス反応
*胸鎖乳突筋(首前面の大きい筋肉)の筋力低下あり。
*右胸鎖乳突筋の過剰な緊張と圧痛あり。

*背中の皮膚(表層)の機能低下あり。
*左太もも後方の皮膚(深層)の機能低下あり。
*左太もも~ふくらはぎの皮膚の感覚低下あり。
*うつ伏せで右足が短い。(右短下肢)
*うつ伏せの状態で手を外に広げて水平に維持することが困難。(中部僧帽筋の筋力低下)

*東洋医学的には「腎」「膀胱」「肝」「胆」「肺」「心包」に反応あり。

【初回施術】
*異常のある筋肉のリラクゼーションと活性化を行う。
*呼吸運動や徒手アプローチにて呼吸機能を調整。
*うつ伏せで骨盤ブロックを使い筋肉の緊張とバランスを調整。
*皮膚の感覚の低下や状態に応じて施術を行い、皮膚機能を調整。
*背中を中心とした経穴(ツボ)刺激や徒手アプローチにて、内臓機能を調整。
*左脚のリラクゼーションと共にふくらはぎの経穴(ツボ)にアプローチ。
*右手のストレッチ、関節の調整と共に経穴(ツボ)にアプロ―チ。
*座った状態で、左足のみ振動マシンを5分間実施。

【施術後】
*下半身の筋力低下は60~70%程度改善。
*握力も70%程度改善。
*自律神経の状態は安定。(リラックス状態)
*むくみは少し軽減し、ふくらはぎの赤みは消失。

【考察】
 とくにかく下半身の筋力低下が強く、お客様自身も筋力テスト時に驚いている様子で、筋力低下による「筋ポンプ作用」の低下が足のむくみの1つの要因として考えられました。筋力低下の原因は皮膚や内臓の機能低下の影響が大きいと感じられ、腎臓や膀胱の不調を示唆する経穴(ツボ)の反応が目立ち、日中は仕事が忙しくてトイレに行く暇がない状況との事で、多少なり膀胱に負担が加わっていたと考えられます。また、東洋医学的に腎臓と膀胱は表裏一体の関係なので、腎臓への影響も想定されます。

 施術後に下半身の筋力はある程度改善しましたが、まだ不十分であり、握力も改善の余地は大きい状態でした。また、歩くときには左足裏に十分に体重が加わっておらず、下半身の機能低下を助長すると共に首の大きな筋肉(胸鎖乳突筋)にも影響を与えていると考えられました。胸鎖乳突筋の異常は首の回旋を制限し、めまいの原因になりやすく、身体全体の不調につながるので、時間をかけてリラクゼーションと調整を行いました。

 根本的な原因は、仕事での疲労蓄積や慢性的な睡眠不足などによって、左脳の働きが低下した事が大きいと考えられ、全体的には左半身のリラクゼーション、右半身の活性化を促すように「脳リハビリ」を行い、全身的な調整を行いました。施術に対する反応は比較的良好ですが、改善には一定の期間が必要な状態なので、一週間後に予約をとってもらい、施術を終了しました。

~お客様の声~
「ありがとうございました。すいぶんと身体が楽になり、本当に良かったです。」

関連記事