頭痛、肩こり、めまい
目覚めると、歯の食いしばりの余韻。
ぐっすり眠れた感覚がない
🔶食いしばりの影響は大きく・・・
「食いしばってた余韻があります。」と訴えられるお客様。ここ数年間は熟睡できていないとの話で、会話の中で気になったのは、「寝なくても元気」と言われていた事。これは、明らかに交感神経の働き過ぎ(過剰な活動)を表しています。
✅主な訴えや症状
・食いしばり
・左中指付け根の痛み
・左腰部の痛み ➡身体を反らすと痛みが増す
・左外反母趾の痛み
・花粉症の症状あり
・明け方はネガティブになりがち
✅検査/評価
①神経系
*交感神経の緊張亢進=過剰活動
*右正中神経の機能低下が示唆される。
②呼吸循環系
*呼吸機能低下(息を吸う時に下部胸郭の動きが不十分)
③筋骨格系
*両側咬筋(咬合筋)の圧痛と緊張
*右後頭下筋(後頭部と第1頚椎をまたぐ形の筋肉)の圧痛と緊張
*右胸鎖乳突筋(首前面にある大きな筋肉)の圧痛と緊張
*左小胸筋(胸の奥の筋肉)の圧痛と緊張
*左後脛骨筋(ふくらはぎの奥の筋肉)と左足部内在筋の圧痛と緊張
*右中部僧帽筋(背中の筋肉)の筋力低下
*左母趾(左足の親指)の筋力低下
*左手人差し指・中指・薬指の関節の遊びが減少しており、中指で目立つ。
④その他
*背中全面、左ふくらはぎの皮膚機能低下
*腎機能、肝機能低下が示唆される。
*顔が赤みを帯びている。(赤ら顔)
🔷施術
背中や頭部(顔面)から首にかけての筋緊張が高く、顔は赤ら顔で紅潮しているような状態で、神経学的テスト、筋力テストからも交感神経の緊張や自律神経のバランスの悪さが感じられます。
日々の仕事や過ごし方などを聞いていると、日常的なストレスの蓄積が与える影響が大きく、ソフトな手技を中心として筋肉や交感神経の緊張を緩和していきます。
全体的に左半身の緊張が高く、その影響で左手足の関節の硬さや痛みが出やすいのですが、直接的な施術では改善が不十分な状態。右腕(前腕~指)の正中神経や経穴に対するアプローチ後に関節の動きがさらに改善するため、経穴に対してテーピングをします。
施術後は、新しくナンバ歩きの要素を取り入れたホームエクササイズをアドバイスし、エクササイズ後の状態は良い感じでした。
🔷考察
やはり、春先の季節は寒暖差が大きく、自律神経が乱れやすいなと思います。理論的にも経験的にも2月3日の節分を節目とした、その前後の時期が最も体調を崩しやすいと考えられ、自律神経の乱れは花粉症などのアレルギー症状を強くし、アレルギー体質の方は辛い時期ですね。
私事ですが、去年から呼吸法を定期的に実践するようになったおかげか、今年は花粉症が大分緩和され、咳が出るものの、鼻づまりや目の痒さはほとんど無い状態です。
今回のお客様も呼吸機能低下が認められ、呼吸運動時の胸郭運動が低下すると、呼吸補助筋である胸鎖乳突筋が過剰に働き、補助の範疇を越えてしまい、緊張と共に押すと痛みが出る状態になってしまいます。さらに、胸鎖乳突筋が緊張すると反対側の後頭下筋群も緊張し、結果的に脳の酸素不足を招きやすく、脳の機能低下と共に自律神経の働きも低下して、身体のさまざまな不調につながります。
最近、ナンバ歩きの要素を取り入れたエクササイズを取り入れており、この歩き方は大腰筋を刺激し、活性化させるのですが、大腰筋は胸鎖乳突筋と連動しているので、胸鎖乳突筋の柔軟性を保つのに役立つと考えられます。長々と述べてきましたが、結局のところ、身体はさまざまな部位が連携して協力しながら一つの大きなシステムとして機能していることが分かるかと思います。